2007年9月3日月曜日

~1976年生まれの「残留孤児二世」が向かい合う「日中現代史」~


『あの戦争から遠く離れて 私につながる歴史をたどる旅』
城戸久枝著
情報センター出版局 2007年9月刊 1,680円

1976年生まれの著者は「日本生まれの中国残留孤児二世」。
「中国残留孤児」に対する集団訪日調査が開始された1981年より以前の、日中国交が断絶していた1970年に、文化大革命の混乱の中国から独力で帰国を果たした28歳の日本人戦争孤児を父として持つ。日中国交回復前の当時は「中国残留孤児」という言葉すら存在せず、マスコミ等は「満州孤児」と報じた。著者大学在学中21歳のときに、父親の育った旧満州の地に足を踏み入れ、父の足跡をたどりつつ「もうひとつの戦後史」と向き合うノンフィクション。
著者初めての単行本となる本書は、完成までには10年近くの歳月が費やされたという。
《目 次》
■第一部 家族への道 [父の時代]
 第一章 遠い記憶
 第二章 失意の底から
 第三章 心、震わせて
 第四章 幾つもの絆
■第二部 戦後の果て [私の時代]
 第五章 父の生きた証
 第六章 傷だらけの世界
 第七章 歴史を生きる者たち
 第八章 満州国軍と祖父
 第九章 運命の牡丹江
*8/26「日本経済新聞」読書欄、8/29「日本経済新聞」夕刊
「目利きが選ぶ今週の3冊」に掲載の他、9/2読売新聞朝刊社会面
「人物語」にて著者城戸久枝さんが紹介されました。

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