2015年7月28日火曜日

■国際シンポジウム 書の資料学 ~故宮からの問い~

古来、書の名筆とされるものの多くは、文学作品の写本や政治文書、或いは写経や手紙など、用途の定まった文献資料としての側面を持ち合わせています。一方で、書の研究には「書論」と称する、書に関する理論や文献を扱う領域も確立しています。文献資料としての書、そして書を理解するための文献資料―このシンポジウムでは、こうした書と文献資料の複合的な関係を、日本と中国双方の比較も視野に多角的に考察します。特に今回は、国立故宮博物院書画処よりお二人の気鋭の研究者をお招きし、本テーマに関する最新の研究成果をご講演いただきます。

日時:9月12日(土)10:30~17:00
会場:筑波大学東京キャンパス文京校舎134講義室(文京区大塚3-29-1)
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参加費:無料 どなたでもご参加いただけます。参加をご希望の方は、事前に住所・氏名・電話番号(またはEメールアドレス)をFAX 029-853-2715へご連絡ください。
主催:「書の資料学」実行委員会(代表者 菅野智明 日本学術振興会科学研究費助成事業 JSPS24320066)
共催:筑波大学

プログラム
受付 10:00~ 開会挨拶 10:30~10:35
第1部 研究発表 10:35~12:05
明末における書体論の諸相
  尾川明穂(安田女子大学助教)
松花堂昭乗筆『詠歌大概』(国文学研究資料館蔵)所収秀歌撰について
  山口恭子(都留文科大学非常勤講師)
清代書法指南書の受容と展開
  髙橋佑太(相模女子大学非常勤講師)

第2部 基調講演 13:00~15:00
『石渠宝笈三編』に見る碑帖と碑学の関係についての初探
  何炎泉(国立故宮博物院書画処副研究員兼科長)
書は人を以て伝う―趙孟頫書「絶交書」の考察
  陳建志(国立故宮博物院書画処助理研究員)

第3部 討議 15:15~17:00
登壇者 何炎泉 陳建志 家入博徳 矢野千載
登壇者提言
日本書論にみる中国書論の受容
  家入博徳(國學院大学兼任講師)
高村光太郎書「雨ニモマケズ」詩碑に見られる原文および碑銘稿との相違について
  矢野千載(盛岡大学教授)
  司会 菅野智明(筑波大学教授)

お問い合わせ:〒305-8574つくば市天王台1-1-1 筑波大学芸術系 菅野研究室
TEL/FAX:029-853-2715