2013年9月5日木曜日

速報[9月5日③] これから入荷・発売する本~『文選顔鮑謝詩評補(影印)』『日本徳川博物館蔵品録 1』他

 
379990 『滄趣楼詩文集(全2冊)』
    陳寶琛 著/劉永翔、許全勝 校點 上海古籍出版社 2013年7月 5,197円
 陳宝琛(1848~1935)は清朝末期に活躍した政治家・文人で、宝廷、張佩綸、張之洞とともに「清流党」と称された。……(略)……本書は陳宝琛の全著作(『滄趣楼詩集』『聴水詞』『滄趣楼文存』『滄趣楼律賦』『滄趣楼制芸』)を収録する。点校整理を加え、さらに多くの関連する伝記・序跋・詩文評論資料と、付録として「閩県陳公宝琛年譜」および奏議文書2巻計96篇を収録する。...(続き)

379995 『文選顔鮑謝詩評補(影印)』
    黄稚荃 著/林孔翼 校 上海古籍出版社 2013年7月 9,765円
 元代方回によって編纂された『文選顔鮑謝詩評』は全四巻、主に『文選』から顔延之・鮑照・謝霊運・謝瞻・謝恵連・謝朓の詩を採録し、それぞれに評論を加えている。黄稚荃は1932年から本書の執筆に取り組み、広く資料を集め、自身の見解を加えながら、方回の評論をさらに充実させた。そして1945年、原書の構成を保ちながら、そこに加筆を加えた手抄本として『文選顔鮑謝詩評補』四巻にまとめた。本書は50年以上も未刊行であったが、今回、その手稿本に句読点を加え、引用文献を改めて照会し、影印本として刊行する。南朝期詩歌の研究にとって参考になるとともに、20世紀に活躍した才女・黄稚荃の真筆に触れられるまたとない機会でもある。

380004 『日本徳川博物館蔵品録 1』
    朱舜水文献釈解 〔日〕徳川真木 監修/徐興慶 主編 上海古籍出版社 2013年7月刊 11,434円
 徳川御三家の一つ、水戸徳川家は徳川家康の第11子にあたる頼房を祖とし、2代目光圀の時代には明末遺民・朱舜水を「賓師」として遇した。朱舜水の「尊王賤霸」「大義名分」「実学実功」などの思想は光圀に大きな影響を与えたとされ、光圀が設立した彰考館によって編纂された『大日本史』は、多くの史料に基づいて、歴史の真の姿を捉えようとした大作であった。水戸彰考館には現在も水戸徳川家歴代藩主、彰考館館長、館員および明末の遺民、僧侶らが生前使用した文物、文献など3万点以上が保管されているが、これまで全く公開されてこなかった。今回、公開されたのは朱舜水に関する文献で、「朱舜水与長崎」「朱舜水与徳川光圀」「朱舜水及其弟子遺書著」「朱舜水的書、詩与画」「朱舜水与礼儀、祭祀」の5部構成で、その文集・遺著・書簡・画巻・対屏・印譜などを紹介する。朱舜水が明清両朝と江戸徳川時代の文化交流で演じた重要な役割を理解し、当時の日中文化交流の情景を想像させる内容となっている。

380008 『張伯駒集(全2冊)』
    張伯駒 上海古籍出版社 2013年8月刊 4,914円
 張伯駒(1898~1982)は張学良、袁克文らとともに当時「民国四公子」と称された人物で、20世紀の中国で収蔵家、書画家、詩詞学家、京劇芸術研究家として多彩な才能を発揮した。上巻には『紅毹紀夢詩注』『続洪憲紀事詩注』と詞集『叢碧詞』『春游詞』『秦游詞』『霧中詞』『無名詞』『続断詞』などの詞集、その他詞話を収録する。下巻には『素月楼聯語』『春游瑣談』『叢碧書画録』『乱弾音韵輯要』等芸能に関する論著を収録する。

380009 『顧鼎臣集•楊循吉集』
    〔明〕顧鼎臣、楊循吉 著 蔡斌点校 上海古籍出版社 2013年8月 5,197円
 明代の重臣・顧鼎臣および楊循吉の詩文を収録した合本で、個人の日常生活に触れた記載など、明朝末期の政界と社会の状況を様々な角度から反映しており、明代の歴史文学研究にとって貴重な資料である。
『顧鼎臣集』は明崇禎十三年から弘光元年までの昆山顧氏刊本で、『顧文康公文草』十巻、『顧文康公詩草』六巻、『顧文康公続稿』六巻、『顧文康公三集』四巻、全二十六巻より構成される。
楊循吉の文集『松籌堂集』全十二巻は、斉魯書社『四庫全書存目叢書』の影印で、北京図書館所蔵の清金氏文瑞楼鈔本を底本とし、文章の種類別に排列される。現存する楊循吉のすべての詩文作品と、地方政務の詳細な資料である『蘇州府纂修識略』六巻、女真族の盛衰をまとめた『金小史』八巻、さらに今回徐景鳳匯刻『南峰逸稿』を整理し、併せて収める。