2013年6月14日金曜日

名著復刊!~『中国の神獣・悪鬼たち 山海経の世界[増補改訂版]』

 
『中国の神獣・悪鬼たち 山海経の世界[増補改訂版]/東方選書44』
  伊藤清司 著/古代中国研究会 編 東方書店 2013年06月 2,100円

妖怪・悪鬼が跋扈する「外なる世界」と古代中国人はどのように向きあっていたのか。来歴不明の古書『山海経』を手ががかりに、古代人が生活空間の外に広がる山川藪沢=「外なる世界」に住まう超自然的存在をいかに恐れまた活用していたのかを探る。1986年刊行の名著を新装新組で復刊、現在の研究状況の概説および補論2編を付す。

《 目 次 》
増補改訂版の刊行にあたって 慶應義塾大学 古代中国研究会(文責:原 宗子)

I 文明社会の内と外
 「外なる世界」/「苛政は虎よりも猛し」/野生の空間/『山海経』とは何ぞや/「外なる世界」と『山海経』/禽獣との苦闘

II 祟りの悪鬼
 一 人を喰う妖怪たち
 二 疫病神たち
 三 災禍をまねく怪神たち――洪水・ひでり
 四 災禍をまねく怪神たち――火災・戦禍・蝗害・労役
 五 悪鬼博物誌(カタログ)――災いをさける方法

III 恵みの鬼神
 一 山川の恵み
 二 内科・外科の薬物
 三 懐妊・避妊の薬物
 四 家畜用の薬物
 五 善獣・瑞獣たち――悪鬼(ヒール)から善神(ヒーロー)へ

IV 妖怪・鬼神たちの素顔

図版目次と出典
参考文献
あとがき
索引

補論
 補論1. 『山海経』と、その周縁に位置する出土簡帛(森 和)
 補論2. 五蔵山経における舞――帝江と鳥の舞(矢島明希子)