2015年6月15日月曜日

[催事情報] 東日本漢語教師協会主催 第2回講演会 「中国語教育と翻訳」(7/18)


【催事情報】
小社に寄せられた、中国関係のイベント・シンポジウムなどの情報をご紹介いたします。最新の情報はコチラでご確認ください。

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■東日本漢語教師協会主催 第2回講演会 「中国語教育と翻訳」


▼日時:7月18日(土) 13:00-17:00
▼会場:日本大学法学部10号大講堂(三崎町校舎)
  〒101-8375 東京都千代田区三崎町2丁目3番1号
  水道橋駅(JR総武線・JR中央線・都営三田線)下車徒歩3~6分
  URL:http://www.law.nihon-u.ac.jp/access.html
▼参加費:無料
▼主催:東日本漢語教師協会
  URL:http://jaclt.org/
▼プログラム:
 [第1部] 13:20-14:20
  「補語を考える」  榎本英雄(明治学院大学名誉教授・元NHK中国語講座講師)
    中国語において、補語とは、主語、述語、目的語、限定語、状況語、補語のように、6つに分類される文成分の1つとして、文を組み立てる個々の単語の文中での役割を示すものであるが、通常の文法解説においては、補語はその機能によって、それをさらに結果補語、方向補語、可能補語、数量補語、様態補語、程度補語などに分類し、説明されるのが通例となっている。
例えば、“你跑得比我快。”「あなたは走るのが私より速い。」という文は、通例によればその“(-得)比我快”が様態補語であると説明される。本来、各文成分は連用、連体修飾フレーズなども含め、それぞれ1単語がその役目を担う。逆に言えば文中の単語は、接続詞、文末助詞など特定機能の語を除いて、すべていずれかの文成分に整理できるのが基本ルールのはずである。それに対し、この例の“比我快”は前置詞“比”、人称代詞“我”、形容詞“快”の3語で組み立てられ、このうちのどの1語を補語とするかを決める合理性は見当たらない。結果として、通例ではこのフレーズ全体を様態補語と呼ぶわけだが、主語、述語など他の文成分がそれぞれ文中の1単語に特定できるなかで、補語はそれが不可能であるというのもいささか不都合である。
そんな補語についての通例に目を向けつつ、中国語の文の組み立てについて考えてみたい。
 [第2部] 14:20-15:20
  「大岡信の詩の翻訳と翻訳文学について」  陳淑梅(東京工科大学教授・NHK中国語講座講師)
    大岡信(1931年―)は、戦後詩を代表する詩人のひとりとして、その文学活動は、詩、評論、美術批評、戯曲、翻訳、古典詩歌から現代詩までを網羅した「折々のうた」に見られる詩歌編纂など実に幅広い分野に渡って膨大な業績を残している。大岡信の詩は英語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、中国語、スペイン語、マケドニア語などに訳されている。中国では、社会科学院が出している中国で最も権威ある季刊誌『世界文学』に収録されるなど、詩や散文が多く翻訳されている。最近では、世界で最も美しい詩が集められた『世界最美的詩歌』や『世間最美的情詩』などの本にも詩が取り上げられている。今回は大岡信の詩作品「春のために」、「さわる」の中国語訳を例にとって、日本語と中国語の特徴や文学作品の翻訳のポイントを考える。
 [自由討論] 15:40-16:40
  テーマ 「これからの中国語教育」
  コメンテーター 鈴木 靖(法政大学教授)、于 暁飛(日本大学教授)