『李鵬「六四」日記 - 原擬定名《關鍵時刻》』
李鵬著 (香港)新世紀出版社 2010年6月下旬刊行予定 3,906円
*本書は出版中止になりました。(6/22)
本書は、1989年の“六四”天安門事件当時に首相だった李鵬氏が記した、事件前後71日間の日記。
事件から15周年となる2004年、『関鍵時刻 李鵬日記』の書名で刊行が企図されたが、党中央政治局によって差し止められ、党中央指導部内での閲覧に留められたという。このたび香港に同書の原稿が流出し、出版の運びとなった。仕掛け人は趙紫陽元総書記の秘書・鮑彤氏の長男、鮑樸氏で、『改革歴程』(2009)と同じく同氏が社長を務める香港・新世紀出版が発行元となっている。
学生運動への対処方針をめぐる党内の対立や、学生に同情的な趙紫陽への批判、衝突への緊張が高まるなか決まった江沢民氏の後継指名など、これまで公表されることのなかった権力内部の生々しい様相が、随所に綴られている。本書と対立する立場から執筆された『改革歴程』とともに、天安門事件の真相を知るためには欠かすことのできない超一級の現代史史料といえる。
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