2010年5月31日月曜日

『三国志演義の世界 増補版』~待望の復刊!「七実三虚」の中国的世界観に迫る

 
『三国志演義の世界 増補版/東方選書 39』
  金文京 東方書店 2010年05月 1,890円

物語としての『三国志演義』は、いかに作られたのか。正史『三国志』に基づいた史実とフィクションを交えた叙述のスタイルを分析し、唐代以前から明清代にいたる『演義』の成立事情、謎につつまれた作者羅貫中の人物像、関羽・劉備・張飛ら登場人物のキャラクターの変遷など、奥深い作品世界を案内する。後半では、『演義』の研究にも大きな影響を与えた民間伝承『花関索伝』、明清代の書坊による出版戦争、『演義』に反映された正統論や五行思想など、物語の背後にある文化や世界観も描き出す。本「増補版」では、初版から17年を経た研究の進展を随所に反映させるとともに、日本と韓国における『演義』の受容を第九章として新たに加えた。

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