2013年10月1日火曜日

[催事情報] [合同成果報告会]日本漢籍集散の文化史的研究/宮内庁書陵部収蔵漢籍の伝来に関する再検討(12/7)

 
【催事情報】
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■東京大学東洋文化研究所東洋学研究情報センター共同研究
  日本漢籍集散の文化史的研究―「図書寮文庫」を対象とする通時的蔵書研究の試み―
  /日本学術振興会科学研究費補助金・基盤研究
  宮内庁書陵部収蔵漢籍の伝来に関する再検討―デジタルアーカイブの構築を目指して―
 [合同成果報告会]



本研究は、宮内庁書陵部に収蔵する「図書寮文庫」の漢籍を対象とし、日本伝来の漢籍を含む蔵書群の形成と変転の過程を確かめ、蔵書研究の視点に立って漢籍の文化史的意義を捉え直し、日本文化に対する漢籍の寄与を明らかにすることを目的としています。
図書寮文庫とは、宮内庁書陵部の収蔵する歴史的文献のうち、正倉院宝物、公文書等を除いた古典籍を管理する組織であり、従来、書陵部本と称する図書を収めています。その中には公武の伝世品を含み、特に江戸幕府の紅葉山文庫本から明治期に抜き出された善本群には、中世以来伝承された金沢文庫本など、日本漢籍史上、最重要の蔵書に由来する資料を含んでいます。また近世の江戸幕府由来の資料に、御所や宮家、公家の伝本をも加え、日本漢籍史の屋台骨と見るべき、複合的蔵書群を構成しています。
図書寮文庫本の書誌学的研究は、目録解題の整備を中心に行われてきましたが、昭和28年に刊行された『和漢図書分類目録』より約60年を経て、各方面の研究も進捗し、内外の資料との比較研究を行う環境は、格段に向上しました。そこで本研究では、伝本に対する基礎認識の見直しから始め、伝来の過程に重点を置いた漢籍の再調査を加え、蔵書史という視座から、その意義を問い直すことを課題としています。
この度は、図書寮文庫の漢籍の現状、書誌調査による文献資料の再発見、調査結果に基づくデジタルアーカイブの紹介と、3つのご報告を行い、広く一般社会や、学界の皆様と成果の共有を図り、今後の展望を開いていけるように、この報告会を計画しました。

▼日時:12月7日(土) 13:30-17:00
▼会場:東京大学東洋文化研究所3階大会議室
  〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学本郷キャンパス内
▼予約不要・参加無料
▼主催:平成24-25年度 東京大学東洋文化研究所東洋学研究情報センター共同研究
         「日本漢籍集散の文化史的研究―「図書寮文庫」を対象とする通時的蔵書研究の試み―」
       平成24-28年度 日本学術振興会科学研究費補助金・基盤研究(A)
         「宮内庁書陵部収蔵漢籍の伝来に関する再検討―デジタルアーカイブの構築を目指して―」
▼お問合せ:東京大学東洋文化研究所東洋学研究情報センター
  TEL:03-5841-5839
  E-mail:ricas@ioc.u-tokyo.ac.jp
  URL:http://ricas.ioc.u-tokyo.ac.jp/
▼プログラム:
 [第1部 講演]
    宮内庁書陵部図書寮文庫と漢籍の伝来
      小森正明(宮内庁書陵部図書課図書調査官)
 [第2部 調査報告]
    金澤文庫本『春秋経伝集解』、奥書の再検討
      佐藤道生(慶應義塾大学文学部教授)
    種徳堂本『春秋経伝集解』について
      髙橋 智(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授)
    漢籍の「巻」と「冊」再考:宋刊本『通典』をめぐって
      大木 康(東京大学東洋文化研究所教授)
    宋刊本『東都事略』現存諸本の関係について
      上原究一(日本学術振興会特別研究員)
    『誠斎集』巻132の錯丁について
      島田翔太(慶應義塾中等部講師)
 [第3部 事業報告]
    デジタルアーカイブ「宮内庁書陵部収蔵漢籍集覧」の構築
      システム担当:NPOデジタルヘリテージデザイン
      (慶應義塾大学大学院文学研究科哲学専攻修士課程)岡嶋隆佑