2009年11月13日金曜日
『水經注圖(外二種)』~楊守敬『水経注図』をカラーで完全収録
『水經注圖(外二種)』
〔清〕楊守敬 等編繪 中華書局 2009年09月刊 24,150円
古代中国の地理書『水経注』に対する考証作業は、清代に隆盛をきわめたが、同書に図版を添える作業もまた、盛んにおこなわれた。
嘉慶年間の挙人・董祐誠は、『水経注』の記述・注疏と、当時の地名の沿革に対する考察を重ね、『水経注図説』を著したが、夭逝のため未完に終わり、図稿部分も失われた。
董祐誠の後、著名な歴史地理学者である・汪士鐸が『水経注』を研究した『水経注釈文』を著し、同書と対をなす『水経注図』を刊行したが、これも道咸年間の兵禍により現伝しない。後に、汪自身が前著を補完する目的で著した二巻本が今に伝わるが、こちらは諸々の制約により旧書に基かざるをえず、内容に当時の地勢を反映できずに終わった。
『水経注疏』の撰者として知られる楊守敬は光緒31(1905)年、同書の初稿とともに『水経注図』を完成させた。楊守敬の『水経注図』は朱墨で古今を書き分ける手法により、1200余条の水道を胡林翼の『大清一統輿図(皇朝中外一統輿図)』に依拠した地図に詳細に記載しており、『水経注疏』とともに、清代『水経注』研究の到達点を示す書である。
本書は、楊守敬の『水経注図』(全40巻+補巻)をカラーで影印収録し、汪士鐸『水経注図及附録』と董祐誠『水経注図説残稿』(文章のみ)の影印を併せて収録する。
これまで、楊、汪、董三者の刻本を比較閲覧するのは困難であったが、本書は信頼性の高い刊本に基きそれらを合本として刊行し、『水経注』および中国古代地理学研究に有益な資料を提供する。 【在庫有り】
目次:
楊守敬『水経注図』(祐誠子貽清同治八年成都重刻本)
汪士鐸『水経注図及附録共二巻』(咸豊同治間原刻本)
董祐誠『水経注図説残稿四巻』(光緒三十一年楊氏観海堂原刻本)
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