2010年7月20日火曜日

『毛沢東 ある人生』~二十世紀の巨人の実像に迫る!

 
『毛沢東 ある人生(上)』
『毛沢東 ある人生(下)』
  フィリップ・ショート/山形浩生 訳 白水社
  2010年07月 上巻 2,940円/下巻 3,150円

誕生から共産党創立、長征まで、成長と変化を丹念にたどり、思想の変遷、世界情勢の中にも位置づけて描く、本格的な伝記。新資料と綿密な取材により、偏見や扇情を排し、二十世紀の巨人の実像に迫る!

毛沢東は、中国共産党の創立メンバーであり、中華人民共和国の建国の父でもある。1976年に亡くなるまで最高権力者として君臨し、その多大な影響は、繁栄を謳歌する21世紀の中国にも深い影を落としている。本書は、『ポル・ポト』を著したBBCのジャーナリストが、新資料と綿密な取材を基に、毛の誕生から死後までを詳細に描いた、伝記の決定版だ。

毛の本質は、気まぐれな暴君ではなく、老獪で陰湿な裏工作が果てしなく紡がれる、一筋の論理をもった恐ろしさにある。本書はその様を当時の世界情勢の中にも位置づけ、偏見や扇情を排し、毛の変化と成長、思想の変遷を丹念にたどった、本格的な伝記といえるだろう。

[上巻目次]
プロローグ
第1章 儒教的な子供時代
第2章 革命
第3章 悪政の君主
第4章 「主義」の沸騰
第5章 コミンテルンの指揮
第6章 馬日事変に至る出来事とその血みどろの後日談
第7章 銃身から
第8章 富田 無垢の喪失
第9章 共和国主席
第10章 蒼竜を探して 長征

[下巻目次]
第11章 延安間奏曲 哲人王
第12章 張り子の虎
第13章 魔法使いの弟子
第14章 不滅について考える
第15章 激変
第16章 崩壊
エピローグ

■フィリップ・ショート (Philip Short)
BBCの海外特派員として四十年間、ワシントン、モスクワ、パリ、東京、北京に駐在した。特に北京には1970年代と80年代に滞在して以来、定期的に訪問している。著書に、中国とソ連の関係の分析を行ったThe Dragon and the Bear(1982)、『ポル・ポト』(原著2004年、邦訳2008年、山形浩生訳、白水社)があり、本書(原書1999年)とともに、世界的に高い評価を受けている。現在、南仏で暮らしている。

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