2010年11月8日月曜日
『客家と中国革命 「多元的国家」への視座』~なぜ今、客家に注目するのか
『客家と中国革命 「多元的国家」への視座』
矢吹晋,藤野彰 東方書店 2010年11月刊 2,520円
鄧小平、朱徳、葉剣英……、革命史に名立たる人物を数多く輩出しながら、中国共産党がその歴史から客家を排除してきたのはなぜか?客家を切り口として、現代中国の諸問題に迫る!
[編著者のことば] 民主改革が行われることになれば、……少数民族はもとより、客家人、広東人、上海人など漢民族各エスニック・グループの自立性、独自性を名実ともに尊重する多元的システムの構築が模索されていくのではないか。それは、共産党の思惑や打算を超えて、二一世紀中国の最大のテーマとなっていくように思われる。(藤野 彰)
[ 目 次 ]
口絵(中央革命根拠地の範囲と客家居住区)
まえがき――新たな客家論の構築に向けて
Ⅰ 客家の実像――歴史と革命の中で 矢吹 晋
1 客家伝説の誕生
(1)黄巣の言葉から生まれた葛藤伝説
(2)革命伝説その1――井岡山
(3)革命伝説その2――富田事変
(4)客家伝説を超えて
2 客家のルーツを探る
(1)客家研究の始まり
(2)客家「聖地伝説」の矛盾――羅香林批判
(3)歴史資料から論じる
(4)畲族と漢民族との関係
(5)言語から見た客家
3 客家社会の形成と発展
(1)客家民系の開放的システム
(2)呉松弟による羅香林批判
(3)客家民系の広域的拡散
4 開かれた「中華世界」への道
(1)他称と自称のはざまで
(2)その後の客家学
(3)連邦国家の初心に立ち返る
人物略記
参考文献
Ⅱ 「客家」再発見の旅――革命の故地で考える 藤野 彰
はじめに――「客家」取材ノートから
1 四川省広安――鄧小平「客家説」を追う
2 江西省井岡山――毛沢東と「客家の緑林」たち
3 江西省瑞金――「客家」ソビエト共和国の実像
4 湖南省瀏陽――悲運の「客家総書記」胡耀邦
5 広東省梅州――「客都」が育んだ葉剣英の革命精神
参考文献
Ⅲ 対論 なぜ今、客家に注目するのか 矢吹 晋×藤野 彰
あとがきに代えて――私の客家・漢民族認識のあゆみ 矢吹 晋
あとがきに代えて――「客家」問題と中国の未来 藤野 彰
事項索引/人名索引
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