2014年7月30日水曜日

速報[7月30日①] これから入荷・発売する本~『漢魏六朝碑刻異体字典』『北京大学図書館蔵“大倉文庫”善本図録』他

 
388166 『晏子春秋校注』
    張純一 撰/梁運華 点校 中華書局 2014年5月刊 3,150円+税
 本書は、著者の張純一(1871-1955)が元刻本を基に旧注を選り分け、孫星衍、盧文弨、王念孫、洪頤煊、兪樾、蘇輿等、諸家の校正の精華を取り入れ、文字と思想の両面で《晏子春秋》の詳解に努めた。疑念の残る箇所が一字でもあれば、必ず推敲を重ね、それを解き明かしていたので、校注本の中の佳作と評されている。1935年ごろ世界書局の《諸子集成》に収録、中華書局から何回も校訂重刷されているが、今回、《新編諸子集成》の一つとして新しく刊行され、標点と校勘を《新編諸子集成》の体例に合わせたほか、史記《管晏列伝》と銀雀山竹簡《晏子》の原文も新たに附されている。

388169 『清朝開国史(上下)』
    閻崇年 著 中華書局 2014年5月刊 9,240円+税
 本書は、上、下2巻で構成され、約120万字。上巻には清太祖時期、下巻には清太宗時期が記述されている。ヌルハチが明朝に反旗を翻してから清軍による北京占領まで、重大事件を縦軸として物語ることで、清朝開国の歴史をわかりやすく解説した書物である。

388170 『漢魏六朝碑刻異体字典(上下)』
    毛遠明著 中華書局 2014年5月刊 17,550円+税
 著者の毛遠明は、地道な考証と整理を重ね、1,416種もの漢魏六朝碑刻の拓本から全ての異体字を抽出し、拓本と写真を用いて文字本来の形を保った、中国初の碑刻異体字典を完成させた。

388171 『夢窗詞集校箋(全6冊)』
    〔宋〕呉文英 撰/孫虹、譚学純 校箋 中華書局 2014年5月刊 12,100円+税
 本書は、《中国古典文学基本叢書》の一つ。全書約150万字。今までの宋代詞人呉文英(夢窗)に関する「校・注・考・評」が一堂に会した大作である。「校」については、王鵬運、朱孝臧などの校勘を基に、9種の孤本を含む31種もの詞集と詞選本より集められ、「注」では、楊鉄夫、呉蓓の箋注を基に、3,000種余りの図書から1万箇所以上の例証を引いている。夢窗の生卒年やその生涯についてもより緻密な考証がなされ、交遊のある17人を新たに加え、地名の考証でも新しい成果を加えている。また、「評」では、今回初めて目にする《評彊村定本夢窗詞》を始め、約10万字の評論を増やし、鄭文焯の四印斎本《夢窗四稿》の評語も全面的に収録されている。

388179 『北京大学図書館蔵“大倉文庫”善本図録(上下)』
    朱強 主編 中華書局 2014年5月刊 44,100円+税
 日本大倉文化財団大倉集古館の所蔵する中文古籍は、2013年に北京大学図書館により丸ごと買い戻された。今に言う“大倉文庫”である。本図録は、この中から善本を精選し、刻本、活字本、稿鈔本、清宮旧蔵の4種類に分け、計宋刻逓修本4部、元刻及び元刻逓修本9部、明清刻本60部余り、明銅活字本14部、木活字本30部余り、明清稿鈔本70部余り、清宮旧蔵30部弱を収録している。特に、文津閣《四庫全書》写本の《南巡盛典》や、清代の名家銭大昕、黄丕烈、陸貽典、毛扆、鮑廷博諸氏の批校題跋本、満漢文の“翰林院印”付きの四庫進呈本22部などは、愛好家に喜ばれる珍品である。各書物の書影は1、2枚、特筆に値するものは7、8枚が載せられている。

388180 『北京大学図書館蔵“大倉文庫”書志(全5冊)』
    朱強 主編 中華書局 2014年5月刊 120,000円+税
 ……(略)……本書志には、現代に刊行されたものを除いた計906種、28,010冊が収録されている(日本の典籍190種、276冊と朝鮮の典籍1種、2冊を含む)。本書は、まず題名項目に書名及び種数巻数、次に版本項目に出版年代、出版者、出版類型、編号(大倉蔵書の名残として、中国語読み“DaCang”の頭文字“DC”と、大倉集古館簡目に使われている順序号をそのまま編号に使用)、函冊数、版印形式(朱印、藍印、重ね刷り等)、版印順序(初印、後印)等を記入し、その後に著者関係の情報(姓名、生卒年、字号、出身地、科挙試験の成績、官職等)も記載されている。図録的には、各種古籍の書影が一枚ずつ(原則として、正文第一巻第一頁を採用)添えられている。本書志の記述でもっとも重点を置かれているのは、各典籍の版本詳細である。版本形式としてのサイズ、版式行款、刻工、書籖、内封、牌記、刊記、印記、諱字、装丁等の情報を記録し、版本の内容として、巻頭第一行から正文までの間に書かれたものやその他、正文に編入されていない全ての文字内容をはじめ、後人による批校題跋と印鑑類もそのまま引用し、残欠についての説明も加えられている。本書志の編目においては、《四庫全書総目》を参考にし、経、史、子、集の四部に叢書と碑帖の二部を追加。部の下に類、属を設け、属の下は編著者と時代による排列方法を取っている。...(続き)