2014年7月30日水曜日

速報[7月30日②] これから入荷・発売する本~『契丹小字詞滙索引』『陳三立年譜長編』他

 
388182 『契丹小字詞滙索引』
    劉浦江、康鵬 主編 中華書局 2014年5月刊 12,400円+税
 本書は、今までに発見された契丹小字資料(計契丹小字石刻33種、その他の零細資料16件)を漏れなく収録した実用書である。索引の内容は詞目、編号、出処、参考詞義の四項目に分けられ、石刻の録文が巻末に附されている。

388183 『隷字滙(綫装1函5冊)』
    〔清〕項懐 述編 中華書局 2014年5月刊 29,700円+税
 本書の初刻時の書名は《隷法滙纂》、全10巻。編者の項懐述は、同時代の顧藹吉が書いた《隷辨》等隷書の字体に関する著作を参考にし、隷書初心者のため、繁雑な出所と引用の註釈を捨て、同一漢字の多種多様な隷書の書き方に重点を置き、《隷辨》よりもはるかに多い1万字以上もの隷書単字が収録されている。また、同類字典に多用されている韻目による分類及び排列の方法を改め、清代に流行する《康煕字典》の部首による排列法を採用し、全収録字の総“字録”を巻頭に据えた。全書の最後に、隷書単字と他書体との間の仮借関係や、隷書常用の偏旁部首の書き方が詳述されている。

388186 『周易(綫装1函3冊)』
    〔魏〕王弼、〔晋〕韓康伯 注 中華書局 2014年5月刊 17,550円+税
 今回の綫装本《周易》は、中華書局刊《四部備要》“十三経古注”本《周易》を底本に採用。相台岳氏家塾本を基に、聚珍仿宋版で排印されているこの底本は全10巻、魏の王弼と晋の韓康伯の《周易注》(内訳として、上下経、彖伝、象伝、文言伝は王弼注、系辞伝、説卦伝、序卦伝、雑卦伝は韓康伯注)、及び王弼の《周易略例》が収録されている。

388187 『陳三立年譜長編(全3冊)』
     李開軍 編撰 中華書局 2014年4月刊 17,100円+税
 陳三立(1859-1937)字伯厳、号散原、近代同光体詩派代表人物の一人。譚嗣同等と並んで晩清の“維新四公子”と呼ばれ、のちの国学大師陳寅恪の父親でもある。本書の編著者は今までも《散原精舎詩文集》の編修等、陳三立研究を続けて来ているので、今回、その豊富な資料を基に、湖南維新、贛路修築、松門雅集、清涼山雅集等、陳氏に関する重要な出来事の考証を極める一方、彼の社会交遊関係を描き出すことで、近現代中国社会史と文化史においての陳氏の影響を如実に再現させている。

388175 『遼寧省図書館蔵陶湘旧蔵閔凌刻本集成(全120冊)』
    中華書局編輯部 編 中華書局 2014年10月刊 予価3,000,000円+税
 多色重ね刷りという印刷技法の確立は、活字印刷にも匹敵する中国古代印刷術の一大飛躍である。明代呉興地方の閔斉伋、凌濛初を主要人物とする閔、凌二大家族の私刻本はその代表格。最初の朱、墨の二色から五色までの重ね刷りができ、その質と見栄えが高く評価され、のちに“閔凌刻”と併称されている。閔、凌二大家族による多色重ね刷り刻本は数多く刊行されたが、数百年もの歳月の流れの中で、その多くは散失、或いは毀損の憂き目にあった。その中、著名蔵書家の陶湘(1870-1940)が一生をかけて、130種もの閔凌刻本を収集できたことは幸いだといえる。陶氏の蔵書も次第に流出し、その大半は最終的に遼寧省図書館に収蔵されている。閔凌刻本の所蔵数で最多を誇る遼寧省図書館は計119種を所蔵、その中の《絶祖》、《明珠記》、《淮南鴻烈解》、《金剛般若波羅密経》等は遼寧省図書館にしかないものである。特に、陶氏所蔵の中でもっとも貴重な三色~五色の重ね刷り刻本19種は、全て遼寧省図書館に収蔵されている。今回、中華書局の影印により刊行される本集成は、三百年も前の閔凌刻本の風貌を掲示する大型叢書であり、中国印刷史上重要な史料である。