2010年2月4日木曜日
『東アジアの民衆文化と祝祭空間』~アジアの祝祭の基層と変容を探る連続講演の記録
『東アジアの民衆文化と祝祭空間』
鈴木正宗編 慶應義塾大学東アジア研究所 2009年12月刊 2,100円
本書は2008年度に慶應義塾大学東アジア研究所が主催した「東アジア研究所講座」全14回の講演記録を再構成したものである。本講座の目的は、グローバル化が進む現代において、東アジアの多様な民衆文化が大きな変貌を遂げつつある過程に注目し、文化の活力の実態を祝祭空間での展開を焦点に据えて描き出すことを主眼としている。拡散し流動化する東アジアの民衆文化を理解するために、人類学・歴史学・地理学・社会学・宗教学・文学などさまざまな立場から多元的に検証ししている。東アジアの民衆文化の現状と動態を知り、異文化への理解を深め今後の国際交流の重要性を認識して、グローバル化の中で日本人が生きるべき道を探る一冊。
《 目 次 》
まえがき 東アジアの民衆文化と祝祭空間 (鈴木正崇)
【日 本】
世界のチャイナタウンからみた人びとと文化の移動 (陳天璽)
日本における中国芸能と音楽の空間 (王維)
都市祝祭の変貌――よさこい系イベントの展開 (内田忠賢)
【韓 国】
韓国における祝祭 (伊藤亜人)
韓国サーカスにみられる曲芸の越境 (林史樹)
『民族』を表象する学校――映画で描かれる総連系民族学校 (原尻英樹)
【中 国】
華南における正月の祭祀空間 (田仲一成)
祭祀芸能からみた東シナ海文化の諸相――朝鮮から広東まで (野村伸一)
観光と祝祭の中の毛沢東 (韓敏)
西南中国のエスニック・ツーリズム (曽士才)
【台湾・東南アジア】
<媽祖>は誰にとっての神か?――グローバル化・ナショナリズム・ローカル化 (三尾裕子)
ベトナムの祖先祭祀――東アジアにおける祭祀空間の比較から (末成道男)
越境するフィリピンのムスリム (床呂郁哉)
インドネシア・バリ島における語られる文化と生きられる文化 (鏡味治也)
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