2010年2月5日金曜日

『突厥第二汗国漢文史料編年輯考』 ~突厥史研究に必備の史料集

 
『突厥第二汗国漢文史料編年輯考(全三冊)』
  呉玉貴 著 中華書局 2009年12月 8,190円

583年に東西分裂した「突厥」は7世紀半ばまでに、唐に降伏・滅亡したが682年頃「東突厥」が勢力を盛り返し回復するに至った。この再興以降の「東突厥」は「突厥第二可汗国」(又は「後突厥汗国」)とも呼称される。「突厥第二可汗国」は「オルホン碑文」でも知られるとおり、内陸アジア史において重要な位置を占めている。
本書は伝統的な漢文史料のほか近年大量に発見された墓誌などの出土史料も加えて整理・考定・編年を加えた「突厥第二汗国」に関する最も権威的な史料集。上編「突厥第二汗国前史編年輯考(630~678)」下編「突厥第二汗国歴史編年輯考(679~745)」より構成。縦組繁体字。
その重要性は、フランスの学者シャヴァンヌ(E. Chavannes)による《Documents surles Tou-kiue (Turcs) occident aux》(《西突厥史料》1903)及びドイツで刊行された劉茂才《Die chinesischen Nachrichten zur Geschichte der Ost-Turken[T’u-Kue]》(《東突厥史料》1958)や岑仲勉 『突厥集史』(中華書局1958)等の先行研究を超えるものと期待される。数多くの漢文突厥文献を整理した最新成果であるとともに、突厥史研究の現在の最高水準を示した本書は、内陸アジア研究の基本工具書として今後欠かせないものとなるといえる。 
【在庫僅少】


《関連書籍》

『突厥語文学研究-耿世民教授80華誕紀念文集』   【お取り寄せ】
  張定京、阿不都熱西提·亞庫甫 主編 中央民族大学出版社 2009年11月 4,998円

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