2012年6月27日水曜日

本日発売!『幻の重慶二流堂』~抗戦首都重慶 甦る文芸界の熱気と人間模様

 
『幻の重慶二流堂 日中戦争下の芸術家群像』
  阿部幸夫 東方書店 2012年06月刊 2,520円
  【在庫有り】

日中戦争下の臨時首都・重慶で、戦火を逃れた文化人が集った文芸サロン「二流堂」。郭沫若に命名され、劇作家夏衍・呉祖光・曹禺や老舎、漫画家丁聡ら多彩な文化人が行き交い、抗戦の良識のもとに活動を展開した。だが文革中に批判を受け、周恩来に庇われながら、その政治的な名誉回復は後年まで遅れた。本書は幻のサロンとも言える「二流堂」に関する日本ではじめての本格的な記録。その人間模様とともに、抗戦下の重慶に華開いた文芸界の様相を哀惜をこめて活写する。著者による重慶再遊ルポのほか、戯曲解説・人名録・重慶文芸地図など関係資料収録。

編著者紹介:阿部幸夫 1929年生。実践女子大学大学院元教授。中国近現代文学専攻。主な著訳書に『杭州月明―夏衍日本留学日記・一九二五』(研文出版、2008)、『魯迅書簡と詩箋』(研文出版、2002)、『日本回憶/夏衍自伝1』(夏衍著、東方書店、1987)、『上海に燃ゆ/夏衍自伝2』(同、1989)、『ペンと戦争/夏衍自伝3』(同、1988)ほか。

《 目 次 》
衆説と真説――まえがき
一 【序幕】幻の文士劇「屈原」
二 文芸カフェ「ペテーフィ倶楽部」
三 「二流堂」の工程師、唐瑜
四 救亡演劇、「香港」舞台――金山・王瑩の踏ん張り
五 裏街道の仕事師、潘漢年
六 翻訳文化と活字文化――馮亦代
七 「二流堂」の世話役――戴浩
八 霧季戯劇節――夏衍
九 文工会副主任――陽翰笙
十 全方位演劇人――曹禺
十一 『正在想』からメキシコ万歳へ
十二 生真面目な「どたばた喜劇」――老舎
十三 テロリズム賛歌『野玫瑰』
十四 応雲衞に献じた『戯劇春秋』
十五 中華劇芸社の書き手、陳白塵
十六 中国芸術劇社の成立
【幕間】 重慶影劇界花絮
十七 【尾声】 霧・山城・演劇――大後方の文学者たち 重慶再游ルポ
あとがきにかえて 国情と知性――『北京の幽霊』から『女の一生』まで

重慶「二流堂」関連人物ラフ・スケッチ(1942年)
霧の重慶 演劇(話劇)公演一覧 皖南事変以降 1941―46(~4月)
参考資料
首都重慶、劇場の変遷(40年台を中心に)――重慶の劇場マップ解説
索引
重慶の劇場マップ

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