2008年3月3日月曜日

『《中書備対》輯佚校注 』 ~北宋中期の政治経済状況を反映する統計数値を遍く収録~


『《中書備対》輯佚校注 』
  (宋)畢仲衍・馬玉臣輯校 河南大学出版社 2007年8月 2,940円

《中書備対》は、北宋の畢仲衍(1040~1082)が主として宋神宗煕豊時期の政治・経済・法律・軍事・教育などの典制を記録した、「典故類」の歴史文献。当時の官吏の実態・礼法のほか、戸籍・貨幣・穀物・兵員に関する統計数値を非常に詳細に記した「会計禄」である。
明代に散佚したため《四庫全書》にも収録されず、《文献通考》《宋会要輯稿》《永楽大典》等の引用から、原文をごく部分的に知ることができる。本書では様々な資料から《中書備対》に関する文献を集め、標点を施した輯佚校注本。著者・畢仲衍の生涯のほか、《中書備対》原目録・現存内容・幸存部分の史料価値、輯佚校注についても言及。宋代財政研究に欠かせない資料といえる。

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