2008年3月17日月曜日

民国珍稀期刊シリーズ

希望月刊(全10冊)
302912 2008年5月 136,500円精装
1924年、四川省成都市で宗教団体美道会により創刊された《希望月刊》は、主にキリスト教・聖書・神学及び人間の心霊の修養を宣伝する月刊宗教誌である。毎期の巻頭の社論で「仁愛―喜楽―平安」といったキリスト教の雰囲気の醸成を提唱し、キリスト教の教義を持って世界を救う信念を鼓吹するほか、論著・教会事工・漫談家庭・故事・児童園地・教会消息・公共衛生・毎月大事記・一月霊鐘・特載・講壇・伝記・見証・喩道故事・聖詩掌故などのコラムでキリスト教の教義や知識を宣伝し、生活・科学・文学・芸術に関係する作品や翻訳作品、漫画挿絵なども数多く掲載した。
キリスト教の「偉大な力」を宣伝するが、他の異教を断固排斥・糾弾するのも《希望月刊》の特徴の一つである。終刊となった1949年末までの傾向を総じて見れば、《希望月刊》は、積極的な思想を宣伝する刊行物ではないが、「以聖教反対戦争」を主旨とした一種の和平主義的立場と言える。
本書は、《希望月刊》の完全影印本。

時代精神(全15冊)
302908 2008年5月 173,250円精装
1939年8月、重慶で創刊された《時代精神》月刊の編集者及び主要な寄稿者は、陳立夫・章伯鈞・楊雲竹・潘公展・胡秋原・葉青など錚々たる顔ぶれであった。終刊となった1946年初頭まで、「物質より精神」「軍事より精神」の理念と「国家至上、民族至上」「軍事第一、勝利第一」「意志集中、力量集中」といった三原則を主旨とし、参考資料・書報紹介と批評・当代文選・編輯後記などのコラムを用い、政治・経済・軍事・国内と国際形勢についての分析・評論文章や蒋介石など国内外の指導者の談話を大量に掲載し、当時の「大後方」で少なからず影響力を発揮した。
本書は、《時代精神》の完全影印本。

南風(全10冊)
302909 2008年5月 136,500円精装
本書は、民国時期に刊行された下記の4種の《南風》雑誌を影印収録する。
(一)、1939年5月、上海商務出版社により刊行された《南風》月刊は、主に詩歌・小説・随筆・小品・散文及び翻訳作品を掲載した純文芸誌である。本書は、この雑誌の1939年5月から1940年2月までの部分を収録する。
(二)、1933年1月、上海南風文社により刊行された《南風》雑誌は、一部の小説や詩歌を掲載したが、主に雑文・文学史・文論性作品を中心とした年に一度発行される文芸理論誌である。その中、陳鐘凡の「詩騒中所表現之清秋」、胡秋原の「芸術之社会底意義」、華林の「但丁与焦陀」、姚名達の「論歌謡」などの論文は、思想的価値も理論的な価値も高い。本書は、この雑誌の1933年1月から1934年1月までの1巻・2期を収録する。
(三)、1931年4月、上海南風月刊社により刊行された《南風》雑誌は、文学が時代精神や健全な思想の産物であるべきという主旨を持ち、短篇文芸作品・外国翻訳作品・文壇消息及び豊子愷の漫画作品などを掲載した総合的な文芸誌である。本書は、この雑誌の1931年第1巻の第1・2期を収録する。
(四)、1920年4月、広州嶺南大学南風社により刊行された《南風》雑誌は、学術与文芸・時評・特稿・生活与学習・綜合芸術・新的小説・時論訳叢・書訳・専載・嶺南文摘などのコラム及び恋愛号・西洋詩号・康楽復版号などの特刊の形式で西洋の学術とりわけキリスト教の精神「真義と文明」を紹介する数多くの文章を掲載した。
本書は、この雑誌の1920年4月から1949年4月までの部分を収録する。

読書通訊(全7冊)
302910 2008年5月 117,600円
精装
1940年5月、「中国文化服務社読書会」により創刊された半月刊《読書通訊》は、学術論著・学術講座・読書指導・生活指導・文芸園地・図書評介・時事論壇・新書消息・文化新聞・読書問答・学府風光・英漢対訳・問題解答・問題筆談・学人小伝・学校通訊・現代語林・文化紀事・芸文叢談・新書目提要・学府掌故・専題研究・訪勝記游・科学瑣聞・科学知識・海外学訊・名著解題・読者之頁・文史論叢・学術史料・徴文萃選・読書随筆・人物評伝・時論転載・書報評介などのコラム及び「追悼史学家何柏丞先生専号」「大学院系選習指導専号」「読書興趣特輯」「全国大学現状特輯」などの特輯で銭歌川・沈尹黙・呉世昌・董作賓・馮友蘭・李四光・熊仏西・呉暁鈴・陳寅恪・梁実秋・李長之・羅常培・羅爾綱・金克木・唐圭璋・章士釗・王平陵・雷圭元・許徳珩・王利器・黎錦煕・沈布雷・趙景深・鄭振鐸・周予同・王伯祥・厳済慈・劉大杰・蒋維喬・呂思勉・徐伴呆などの読書に関する文章を掲載した。


大衆(全13冊)
302911 2008年5月 163,800円
精装
1940年代の初期、上海では、正方形の版型を持つ大衆誌が流行っていたが、1942年11月に創刊された《大衆》もその中の一つである。《大衆》は、終刊となった1945年7月まで、多くのカラー挿絵を付して、「史地、科学常識」「国故新知」「文芸作品」の3つのジャンルに分け、于右任の「標準草書千字文」・胡樸安の「病廃閉門記」・屈弾山の「望絶自紀」・魏如晦の「辛亥革命書征」などの連載文、予且(潘序祖)・包天笑・柳雨生・蘇青・譚惟翰・程小青・孫了紅・丁諦・周楞枷・湯雪華・呂白華・徐卓呆などの短篇小説、包天笑の《拈花記》や張恨水の《京塵影事》などの長篇小説、范烟橋の「没遮攔」・丁福宝の「余之書籍癖」・包天笑の「秋星閣筆記」・張叔通の「九峰樵子談画」などの随筆、姚克の劇本《清宮怨》《七重天》などを掲載し、数多くの読者を魅了した。

中原(全8冊)
302914 2008年5月 134,400円
精装
1939年、安徽立煌中原出版社により刊行された月刊誌《中原》は、国際問題及び孫中山の「三民主義」の研究に力点を置いた、政治・経済・軍事・文化を一体にした綜合誌である。終刊となった1945年まで、論稿や通訊などの形式で国際問題・「三民主義」及び食糧経済・道徳修養などを論ずる文章を多く掲載し、一定の影響力を発揮し、とりわけ独自の特色を有する「中原前哨」コラムは、読者に大いに歓迎された。第4巻第4期に掲載された、孫文の語録をもとに、辛亥革命の成功の経験や失敗の教訓を総括する麦世法の論文「紀念双十節三十周年代論:国父論辛亥革命」は、優れた政治論文とされる。

制言(全13冊)
302913 2008年2月 163,800円
精装
1930年代、当時の国学界において「復古」や「出新」などさまざまな対立する観点が現れ、激しい論戦が繰り返されたが、国学の本質を理解していないものが多かった。1935年9月、章炳麟を主辨人及び主筆として江蘇省で創刊された《制言》雑誌は、この混乱した局面に終止符を打ち、国学の規範や思想の統一を図って、終刊となった1940年3月まで、章炳麟の「漢学論(上下)」「尚書続説」「禹廟碑」「清故龍安府学教授廖君墓誌銘」など大量の論文を掲載し、大きな反響を呼び、旧文化の「推陳出新」に重要な役割を果たした。

吾友(全15冊)
302920 2008年2月 173,250円
精装
1940年12月、北平で創刊された《吾友》雑誌は、最初、毎月の1日・4日・7日・11日・14日・17日・21日・24日・27日に発行された「旬三刊」であったが、その後、週刊や月刊に変更され、1945年6月発行の最終号第5巻第11巻まで、329期が発行された。世界情勢・各地風光・生活文化・科学見聞・散文戯劇・名著訳述・読者信箱・語文練習、大衆習作・中篇創作・雑文などのコラムで大学や高校、中学の学生を対象とした文章を大量に掲載したが、その半分は文学・芸術関係の作品であった。その中、蕭艾の中篇小説《泰然》、列庄(蔡栄邦)の中篇小説《海浜的獲得――献給含羞草,一個早熟的姑娘》、趙今吾の《母親的往事》及び著名な映画俳優孫道臨(孫羽)の文章などは、多くの読者を魅了した。

我存雑誌(全6冊)
302915 2008年5月 100,800円
精装
1933年3月、浙江杭州で当時の倉橋天主教堂により刊行された《我存雑誌》は、「伝教救人,僕等之天職;第以伝教区域,範囲拡大;伝教人員,不敷支配,惟有努力合作,竭尽棉薄,以副主教之期望,以求天国之早臨;但伝教之発達,端頼方法;今当刊物宣伝之際,亟応改良伝教方針,設立改良伝教方針,設立刊物,為時勢所必需;有刊物,我教教理,衆人得暁;我教事業,人人得知…此項計划,系為力求聖教広揚,及務救人起見…」を創刊詞とし、道理欄・歴史欄・事業欄・新聞欄・雑俎・特載などのコラムや多くの挿絵で天主教の教理や文化を宣伝し、慈善事業や国内外の教務に関するニュース及び歴史人物の伝記なども掲載した宗教誌である。
本書は、1933年3月から1937年6月までの5巻の《我存雑誌》の影印本。

文壇(全5冊)
302918 2008年2月 84,000円
精装
1941年7月、広東民族文化運動委員会と広東省立芸術院により、広東曲江で創刊された《文壇》は、文学誌ではあるが、終刊となった1949年4月まで、国内・国際のさまざまなニュースを報道するほか、民族意識の高揚及び日本侵略者への恨みを喚起する短評・小説・詩歌などを数多く掲載したため、「大後方文化」の一つの拠点と見なされている。

説文月刊
302917 2008年2月 136,500円
精装
1939年2月、上海で創刊された《説文月刊》は、「研究学術,発揚文化,提倡純正思想」を主旨とし、文学・言語・歴史・考古・古銭・文芸・経済とりわけ古文字分野の研究論文を数多く掲載した学術誌である。衛聚賢・高本漢・張世禄・丁福保・呂思勉・金祖同・朱幼白などの学者が主要な寄稿者であり、郭沫若の重要な著述も掲載された。本書は、1939年2月発行の創刊号第1巻第1期から1947年1月発行の終刊号第5巻第5・6期合刊まで(第3巻第5・6期は欠号)の《説文月刊》の影印本。

時与潮(全17冊)
302916 2008年5月 178,500円
精装
抗日戦争の真っ最中の1938年4月、漢口で創刊された《時与潮》半月刊は、国民の団結を呼びかけることに力点を置き、国際・国内の戦争形勢の分析を通し、国民の勝利に対する信念を喚起する綜合的な政治誌である。イギリス・フランス・インド・ヨーロッパ・南アメリカに6名の駐在記者を派遣し、国際的な交流と情報の蒐集を強化したことは、《時与潮》の実力を示す出来事であった。

励志(全5冊)
302919 2008年2月 84,000円
精装
「満州事変」後、中国国内において大きな混乱が生じた。1933年1月、士気の鼓舞・信念の確立・民衆の喚起を図り、蒋介石が自ら刊名を揮毫した《励志》雑誌は、江蘇で創刊され、「歴史名将事略」「短評」「励志座談」「社聞」などのコラムで民族の尊厳や国家の主権を守り、国民の団結及び反侵略精神の高揚を呼びかける文章を多数掲載した。その中、第1巻第2期に載せられた「楡関失矣」「誠惶誠恐」「軍人品格論」及び「一周大事記」などの文章は、素早く当時の戦況や国内外の形勢をありのままに反映した政治論文とされる。終刊となった1948年10月までの15年間にわたって発行を続けた《励志》は、民国時期の少ない「長命」な刊行物の一つである。

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