2009年8月13日木曜日

『天水放馬灘秦簡』~「天水放馬灘秦簡」の全体像がようやく明らかに~

 
『天水放馬灘秦簡』
  甘粛省文物考古研究所 編 中華書局 2009年9月刊行予定 予価24,150円

1986年甘粛省天水市東南にある放馬灘1号秦墓から出土した472枚の竹簡は、1975年の湖北雲夢睡虎地秦簡に続く重大な発見となった。
出土秦簡は甲種《日書》(73枚)・乙種《日書》(392枚)・《志怪故事》(7枚)に分類され、中でも《志怪故事》は「中国最古の志怪小説」として中国の民間通俗文学史上でも重要な地位を占めている。特筆すべきは、秦漢墓副葬品として出土したいわゆる《放馬灘地圖》である。1号秦墓より出土した7枚の木版地図は、秦始皇8年(前239年)に作成された中国最古の実物地図とされる。更に5号漢墓から発掘された紙地図の残片は、蔡倫以前の現存する最古の紙=「放馬灘紙」として「放馬灘」の名を世界に知らしめた。
これまで中国の研究者が数多くの研究成果を発表してきたが、その全体像は海外の研究者に必ずしも明らかにされてこなかった。その全貌を図文形式でまとめ、初めて公刊するのが本書である。竹簡をはじめ14基の秦漢墓より出土した文物資料も収録する。
秦漢史研究だけでなく、古代地理学・通俗文学・紙文化研究においても欠かせない重要な基礎資料といえる。

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