故宮博物院編 紫禁城出版社 2011年9月刊 50,400円
本書は、数多くのカラー写真や図版を配し、王羲之的蘭亭・唐太宗的蘭亭・乾隆的蘭亭・誰的蘭亭などの部分に分け、故宮博物院で開かれた蘭亭関係の展覧会「蘭亭特展」と「蘭亭珍拓展」の展示品157点を紹介する。その中、故宮博物院に収蔵されている最も蘭亭序の原品に近いと見なされる虞世南・褚遂良・馮承素の臨模本、乾隆帝の《蘭亭八柱》帖、西晋陸機の《平復帖》、東晋王珣の《伯遠帖》及び黒龍江省博物館収蔵の《蘭亭図》、南昌市博物館収蔵の「羽觴」絵画、日本東京博物館収蔵の《呉炳本定武蘭亭》《孤独本定武蘭亭》(拓本)、香港中文大学文物館収蔵の《游相蘭亭十種》は、いずれも第一級の蘭亭文物である。
355177 『徐霞客游記(附索引)』
[明] 徐弘祖著/褚紹唐、呉応寿整理 上海古籍出版社 2011年5月刊 7,056円
徐霞客(名弘祖、1587-1641)は、中国古代の偉大な地理学者・旅行者・探検家である。30余年間、4回にわたって中国の大半を旅し、地理学的な考察を行い、様々な研究成果を収め、とりわけ石灰岩地貌に対する科学的分類は、ヨーロッパの地理学者より100余年も早かった。その代表作《徐霞客游記》は、古代中国の最も優れた地理学著述と見なされ、清代以降の地理学研究に大きな影響を与えた。本書は、乾隆本や幾つかの未公刊の抄本を底本とし、近年に新しく発見された資料を追加収録した索引付きの《徐霞客游記》最善本である。
355178 『民国人物碑伝集』
卞孝萱、唐文権編著 鳳凰出版社 2011年9月刊 11,970円
本書は、辛亥革命時期及び民国時期の重要な歴史人物の碑伝・墓誌・行迹・回想録などを多数収録しており、その内容は、政治・軍事・経済・文教・科技・芸術など多岐にわたり、民国時期における社会生活の実態を知る貴重な手掛かりと言える。
355184 『尹昌衡集(全5巻)』
曾業英、周斌編 社会科学文献出版社 2011年10月刊 36,960円
尹昌衡(1884-1953)は、清末の陸軍佐官でありながら、辛亥革命後の成都の動乱を収拾し、27歳の若さで四川軍政府都督になった歴史人物である。本書は、「文電」「詩歌」「著述」の3つの部分に分け、尹昌衡の論文・著作・書信・講話・会議記録・詩歌・電文・公文書などを網羅的に収録する初の尹昌衡全集であり、その内容は、政治・歴史・経学・仏学などに及び、尹昌衡研究及び辛亥革命研究に欠かせない資料集と言える。
355137 『仏学大辞典(全4冊)』
丁福保主編 中国書店 2011年11月刊 20,160円
1922年、著名な蔵書家・目録学家丁福保(1874-1952)の主宰により、上海で刊行された《仏学大辞典》は、日本の宗教学者織田得能(1860-1911)編纂の《織田仏教大辞典》などを底本とした現代中国の初の仏学大辞典であり、20世紀における中国仏教研究界の重要な出来事として高く評価されている。収録された3万余の条目は、佛教の専門名詞・術語・典故・典籍・名僧・史跡などにわたり、名数・物名・地名・書名・人名・術語・雑語・譬喩・故事・儀式・図像などに分類して各条目の「詞性」を定め、その詞義や出所を説明し、実用性が高い。
355138 『薛暮橋文集(全20巻)』
薛暮橋著 中国金融出版社 2011年11月刊 41,160円
薛暮橋(1904-2005)は、1950年代から市場経済を鼓吹してきた現代中国の著名な経済学者であり、改革開放の新時代における中国中央政府の最も重要なブレーンの一人とされる。その代表作《中国社会主義経済問題研究》は、長い間、中国経済界の「聖書」となっていた。本書は、1930年代以降に発表された薛暮橋の530余篇の文章・講話・書信及び15部の専門著作を収録し、薛暮橋研究及び中国現代経済史の研究に貴重な資料を提供する。
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