2011年3月18日金曜日

速報[3月18日①]~これから入荷・発売する本

 
342808 『清代八旗子弟書総目提要』
    昝紅宇等著 三晋出版社 2010年6月刊 10,080円
 清王朝が17世紀中葉に中国全土を統治するようになった後、満州族は、すぐさま先進的な中国伝統文化に同化されていった。乾隆初頭に入り、統治階層「八旗」の若者が、純粋な北京語で鼓詞など多くの説唱文学を創作し、北京・天津・瀋陽などの舞台で出演し、大きな反響を呼んだことは、その典型的な事例であった。創作者も聴衆の多くも「八旗」の子弟であるため、これらの説唱文学の台本は、「八旗子弟書」「子弟書」と呼ばれている。「子弟書」は、古代の史書・伝説・戯曲・小説の内容を改編したり、八旗子弟の人間像や生活の実態を反映したりするものが多く、韵律も優美であるため、唐詩・宋詞・元曲・明伝奇に続く中国韵文文化の結晶と絶賛されている。本書は、「提要」の形式で現存の560余篇の「子弟書」を収録し、「子弟書」研究に集大成的な資料集を提供する。

342754 『清代新疆建置档案史料』
    新疆維吾爾自治区档案館、日本仏教大学尼雅遺址学術研究機構編 新疆美術摂影出版社 2010年12月刊 15,015円
 260余年間にわたる清王朝は、終始新疆に対する管理・統治に大きな力を注いだ。乾隆27年(1762年)、清朝廷は、伊犁将軍という官庁を設立し、新疆における軍事・行政の全権を与え、「軍府制」の統治方式を確立した。光緒10年(1884年)、朝廷は、新疆省を設け、伊犁将軍の権限を大幅に縮小し、地方の行政権を各道・府・州・県に移行したほか、より優遇的な移民政策を実行し、新疆の農業・牧業・副業生産及び文化教育の発展に大きな役割を果たした。本書は、新疆維吾爾自治区档案館に収録されている清代の新疆における軍事・行政機構の設置及びその変遷の経過を記録する数多くの档案史料を収録しており、清史や新疆地方史の研究にとっての第一級の資料集と言える。

342918 『南陽鎮平程庄墓地』
    河南省文物局編著 科学出版社 2010年12月刊 12,600円
 2006年、「南水北調」工事の中央ルートの経由地である河南省南陽市鎮平県程庄で東周時期の墓葬を主体とした大規模な古代墓葬が発見された。その後、この墓葬の龍山時期の15の灰坑と1つの棺瓮及び東周・漢・唐・明・清の3本の灰溝・1つの井戸・212の墓葬に対する大掛かりな考古発掘調査により、大量の陶器・青銅器・鉄器及び様々な古代生活用品が出土され、考古学界の関心を集めた。本書は、この考古発掘調査についての詳細な報告集である。

343115 『東坡禅喜集』
    [宋]蘇軾著 [明]徐長孺編 馮濛初増訂 馮夢禎批点 黄山書社 2010年9月刊 8,064円
 不世出の文豪蘇軾の仏教と禅宗に対する独特の見解は、彼の著述に多く見られ、後世の蘇軾研究の重要な課題となっている。明万暦18年(1590年)に刊行された《東坡禅喜集》は、その代表作の一つである。徐長孺編纂・馮濛初増訂・馮夢禎批点となっているこの本は、頌・賛・偈・銘・書後・記・序・伝・文・疏・雑文・書・雑志・紀事など14の「目」に分け、蘇軾の仏教関係の著述を網羅的に収録する。「紀事」の内容は、《冷斎夜話》《詩話総亀》《西湖遊覧志余》などの筆記や文集を引用し、他は、いずれも蘇軾の文集から掬い上げたものである。蘇軾の仏教文学の奥義やその仏教思想の特徴を理解するための欠かせない資料集として高く評価されている。本書は、明天啓元年(1621年)刻本を元とした《東坡禅喜集》の最新版。

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