2011年3月18日金曜日

速報[3月18日③]~これから入荷・発売する本

 
343271 『絲綢之路―大西北遺珍』
    成建正主編 文物出版社 2010年8月刊 15,750円
 2010年8月、陝西省・甘粛省・青海省・寧夏回族自治区・新疆維吾爾族自治区における17の博物館の共同主催により、陝西省博物館で開かれた大型展覧会「絲綢之路―大西北遺珍」は、絲路萌芽(春秋戦国時期)・絲路開啓(両漢時期)・絲路暢通(魏晋南北朝時期)・絲路繁栄(隋唐時期)・絲路仏道の5つの部分に分け、古代シルクロード関係の文物の逸品241点を展示し、数万の観客を迎えた。展示品の中、国宝級の文物である固原李賢墓から出土された鎏金銀壷瓶と琉璃碗及び新疆伊犁昭蘇波馬古墓の金器・青海都蘭熱水のシルク製品・甘粛慶城の胡人俑・寧夏西夏王陵の迦陵頻伽など100余点の一級文物は、いずれも古代西域地区の社会生活の実態や各民族の民俗などを反映する貴重な出土品であり、その一部は、初公開である。本書は、数多くのカラー写真を配し、「絲綢之路―大西北遺珍」のすべての展示品を紹介する。

343483 『金楼子校箋(全2冊)』
    [梁]蕭繹撰 許逸民校箋 中華書局 2010年12月刊 9,324円
 南朝梁武帝蕭繹が、著述した《金楼子》は、内容が繁雑であるが、当時の社会生活の実態や蕭繹本人の内面的世界をリアルに記述しているほか、すでに乱世に消えた先秦古籍の一部の内容が掲載されているため、南北朝時期の重要な著作と位置づけられている。しかし、今まで《金楼子》の整理・校勘本は、刊行されていなかった。本書は、清鮑廷博刻本《知不足斎叢書》版を底本とし、《文淵閣四庫全書》など多くの版本やほかの様々な典籍を参照し、原書の史料根拠に考証を加える《金楼子》の初の整理・校勘本である。巻末に付す「書目著録与版本序跋」「歴代評説要録」及び《蕭繹年譜》は、《金楼子》研究の貴重な参考資料である。

343498 『張政烺批注《両周金文辞大系考釈》』
    張政烺著 朱鳳瀚等整理 中華書局 2011年1月刊 70,560円
 郭沫若が1930年代に日本で著述・出版した《両周金文辞大系考釈》は、両周の青銅器263点及び青銅器銘文511点に綿密な考証を加え、中国の青銅器の発展を濫觴期・勃古期・開放期・新式期に分け、それぞれの時代的な特徴や文化背景などを掲示し、青銅器研究の新生面を開いた名作である。著名な歴史学者・古文字学者張政烺(1912-2005)は、数十年をかけて「批注」の形式で《両周金文辞大系考釈》に掲載された青銅器の銘文を解読し、それぞれの器名・真贋・年代及び関係する史実や制度などを論証し、その研究成果は、郭沫若を含む多くの学者に高く評価されている。本書は、張政烺の批注が付いた《両周金文辞大系考釈》線装本のカラー影印本であり、批注部分は、単独に整理・排印されていおり、検索しやすい。

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