2009年2月13日金曜日

『唐研究14』~「天聖令」研究の新たな段階を示す特集号~

『唐研究14 《天聖令》及所反映的唐宋制度与社会研究専号』
  栄新江主編 北京大学出版社 2008年12月刊 5,733円

1999年中国浙江省寧波・天一閣で発見された《《天聖令》》写本には散逸した唐令が多数含まれていた。2006年中華書局より「天一閣蔵明鈔本天聖令校證附唐令復原研究」の刊行と同時に、日中の古代史研究者から注目を集め、日本古代律令史・中国法制史研究に多大な影響をもたらした。前々号「唐研究12」(2006年12月)では巻頭で「天聖令」特集が組まれ、中国研究者による関連論文8編を掲載、大きな反響を呼んだ。
最新号「唐研究14」(2008年12月)では「《天聖令》及所反映的唐宋制度与社会研究専號」として「天聖令」を再び大々的に特集。「《天聖令》所附唐令為開元二十五年令考」(戴建國)、「《慶元條法事類》與《天聖令》-唐令復原的新的可能性」(稲田奈津子)、「日唐律令制的比較研究-学術史的概観和近年研究的介招紹」(大津透)など日中の研究者による論文24篇のほか、高明士等による60頁近くにも及ぶ書評論文「評《天一閣蔵明鈔本天聖令校證附唐令復原研究》」ほか。「田令」「獄官令」「營繕令」「喪葬令」「雜令」などの各令・各條に踏み込んだ研究論文が多く含まれる。日中古代律令制度研究の新段階・最新成果を示す、注目の論文集。

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