『ダイチン・グルンとその時代 帝国の形成と八旗社会 』
承志著 名古屋大学出版会 2009年2月刊 9,975円
中国史で清朝とよばれるダイチン・グルン(満洲語「Daicing gurun」・大清国)は、マンジュ(満洲)人のつくった国家であった。本書はナショナリズムに彩られた漢文中心の歴史叙述を脱し、ポスト・モンゴルのユーラシア史の文脈で膨大な満洲語史料や地図を読み解くことで、「大清国」の新たな実像・多元性を精細に描き出す。
著者は1968年、中国新疆・伊犂チャブチャル・シベ自治県イラチ・ニルに生まれ、現在、総合地球環境学研究所上級研究員。
《 主 要 目 次 》
序章
【第Ⅰ部 世界帝国をめざして】
第1章 帝国の胎動―起ちあがったジュシェン
第2章 拡大する帝国―ユーラシア国家への道
第3章 歴史にまなぶ帝国の「かたち」―満洲語に訳された正史
第4章 ネルチンスク条約の幻影―満洲語で記された『黒龍江流域図』
第5章 描かれる版図―黒龍江流域の「国境」探検
第6章 積み上がる地図の山―輿図房と目録編纂
【第Ⅱ部 帝国を支えた人々】
第7章 八旗社会の根幹―ニル分類と佐領の承襲
第8章 掌握される戸口―戸籍台帳の作成と管理
第9章 編成されるニル―ブトハ八圍オロンチョンの場合
第10章 受け継がれる記憶と絆―「アンダ」がつないだユーラシア
第11章 尚武のモンゴル―狩猟に生きるブトハ・ニル
第12章 文雅のモンゴル―『閑窓録夢』に見る北京の旗人生活
附 録 ブトハ・ニルの根源冊
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