2011年9月13日火曜日

『厳復 富国強兵に挑んだ清末思想家』~朝日新聞に楊逸さんの書評が掲載されました!

  
『厳復 富国強兵に挑んだ清末思想家 東方選書41』
  永田圭介著 東方書店 2011年07月 2,100円

朝日新聞(9月11日)に書評が掲載されました!
評者は芥川賞作家の楊逸さんです。朝日新聞の書評サイト「ブック・アサヒ・コム」(http://book.asahi.com/)で全文をご覧いただけます。

「《中国で生きなかった近代思想》

厳復――その偉大さを日本人にわかりやすく伝えるためか、本書の帯に「中国の福沢諭吉」の文字が躍る。トマス・ハクスリーの『進化と倫理』をはじめ、ハーバート・スペンサーの『社会学研究』やアダム・スミスの『諸国民の富』、モンテスキューの『法の精神』などを翻訳し、西洋近代思想を中国に紹介して、国の富強への道を模索し続けた中国近代啓蒙(けいもう)思想家である。

しかし、その名の浸透は、日本の一万円札に印刷された福沢諭吉に遠く及ばず、外国人はおろか、現代中国においても教養階層にとどまっている。この現象こそが、中国はいまだに政治の近代化を実現できていない所以(ゆえん)を語っているのではないかと、そんな気がしてならない。――」
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