2011年9月16日金曜日

「厳復」を知るための日本語ブックガイド公開

 
東方書店の新刊、『厳復 富国強兵に挑んだ清末思想家』が、朝日新聞(9/11)の書評欄で取り上げられました!評者は、中国籍の作家として初めて芥川賞を受賞した楊逸さんです。
おかげ様でご注文、お問い合わせも多数いただいております。
清末期に海外思想を広く紹介し、後の革命家たちに強い影響を与えた厳復。その活躍は、日本の福澤諭吉にも比肩されています。
一方、楊逸さんも“その名の浸透は、日本の一万円札に印刷された福沢諭吉に遠く及ばず、外国人はおろか、現代中国においても教養階層にとどまっている”と指摘されたように、業績に比して国内外での知名度は決して高くはありません。

本書『厳復 富国強兵に挑んだ清末思想家』をお読みいただければ、その思想、生涯、活動についてかなりの部分を知ることができますが、さらに厳復について知りたい、厳復が生きた清末という時代背景を理解したい、という方のために、日本語で読めて、比較的入手が容易な本のリストをご用意しました。以下の本と併せて、本書をお読みいただければ、より深く厳復について知ることができることでしょう。


【『厳復――富国強兵に挑んだ清末思想家』関連書籍】

《厳復の人物像・思想》
『自由と国民――厳復の模索』 (區建英著、東京大学出版会、2009年)
『近代中国の立憲構想 : 厳復・楊度・梁啓超と明治啓蒙思想』 (李暁東著、法政大学出版局、2005)
『魯迅 救亡の夢のゆくえ――悪魔派詩人論から「狂人日記」まで 』 (北岡正子、関西大学出版会、2006年)
 補論「厳復『天演論』」
『人物50人で読む「中国の思想」』 (鍾清漢著、PHP研究所、2005年)

《日本語で読める厳復の著作》
『万国公法の時代 洋務・変法運動/新編 原典中国近代思想史』 (村田雄二郎責任編集、岩波書店、2010年)
 ・「『天演論』自序」(村田雄二郎訳)
 ・「時勢の激変について」(伊東昭雄・近藤邦康訳)

《厳復の生きた時代》
『シリーズ中国近現代史1 清朝と近代世界 19世紀』 (吉澤誠一郎著、岩波新書、2010年)

《中国の近代化と思想家》
『梁啓超年譜長編』一~五 (丁文江・趙豊田編、島田虔次編訳、岩波書店、2004年)
『共同研究 梁啓超――西洋近代思想受容と明治日本』 (狭間直樹編、みすず書房、1999年)
『近代中国の知識人と文明』 (佐藤真一著、東京大学出版会、1996年)
『日本と中国における「西洋」の発見――19世紀日中知識人の世界像の形成 』 ( 銭國紅著、山川出版社、2004年)

『中国における「近代知」の生成』 (高柳信夫編著、東方書店、2007年)
『福澤諭吉と陳独秀――東アジア近代科学啓蒙思想の黎明』 (周程著、東京大学出版会、2010)
『陳独秀の時代―― 「個性の解放」をめざして』 (横山宏章著、慶應義塾大学出版会、2009)
『魯迅――東アジアを生きる文学』 (藤井省三著、岩波新書、2011年)
『模索する近代日中関係――対話と競存の時代』 (貴志俊彦・谷垣真理子・深町英夫編東京大学出版会、2009年)
『中国思想認識における幾つかの問題』 (孫路易著、朋友書店、2006年)
『孫文 百年先を見た男』 (田所竹彦著、新人物往来社、2011年)
『競雄女侠伝――中国女性革命詩人秋瑾の生涯』 (永田圭介著、編集工房ノア、2006年)

《小説で厳復の時代を読む》
『蒼穹の昴』一~四 (浅田次郎著、講談社文庫、2005年)
『珍妃の井戸』 (浅田次郎著、講談社文庫、2005年)
『中原の虹』一~四 (浅田次郎著、講談社文庫、2010年)
『孫文』上・下 (陳舜臣著、中公文庫、2006年)

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