2007年9月28日金曜日

~ 中国史学における胡姓問題研究の空白を埋めた古典的名著、45年ぶりに修訂本として刊行 ~


『北朝胡姓考(修訂本)』
   姚薇元著 中華書局 2007年7月 2,793円

1958年科学出版社刊行、1962年中華書局初版の修訂本。初版に若干の修訂を施し、陳寅恪の「北魏胡姓考序」手稿および「清華学報」第8巻に著者執筆の「宋書索虜傳南齊書魏虜傳北人姓名考證」を追加収録した。「胡姓」(非漢人の姓)一族及びその淵源を考察。史伝、姓書及び石刻、方志、文集、説部などの史料をもとに、《魏書・官氏志》の関係記載、両漢以来の「質子降胡」の史実、隋唐時代の蕃将胡商などに考証を加え、193の「胡姓」を掬い上げる。巻末に「胡人姓名對照表」「姓氏索引」等を附す。中国史学における胡姓問題研究の空白を埋めた古典的名著。


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 ~ 若手研究者による北魏前期の支配体制論 ~

『北魏胡族体制論』(北海道大学大学院文学研究科研究叢書11)
   松下憲一著 北海道大学出版 2007年5月 5,250円

北魏王朝についてその国家的な特質を「胡族体制」から論ずる。北魏の支配層「代人集団」に着目し、「胡族体制」の変容過程を北魏の前身「代国」時代から隋・唐にいたる歴史に中で捉えようとした試論。著者の博士論文をもとにその後の発表論文と新たに書き下ろした章を追加して公刊。

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