2007年9月20日木曜日

『広東語動詞研究』刊行

『広東語動詞研究 「手放さずに持つ動作」を表す語をめぐって』
  千島英一 東方書店 2007年9月 3,780円

【内容説明】
広東語の中に多く存在する動詞、その中で、「手放さずに持つ動作」を表す意味的に相互に関連の深い語について、映画やアニメーション、漫画などから例文を抽出し、それぞれの語がどのように「手放さずに持つ動作」を表わしたり、とらえているかを明らかにし、意味の違いの分析を試みる。また、あわせて日本語との対照研究も行い、それぞれの語との対応関係の究明も試みる。

【編著者紹介】
1947年埼玉県生。麗澤大学外国語学部中国語学科卒業。台湾師範大学国文研究所碩士班卒業。文学碩士(中国語方言学専攻)。現在、麗澤大学教授。著書に『東方広東語辞典』『香港広東語会話』(東方書店)、訳書に、S.マシューズ、V.イップ『広東語文法』(共訳、東方書店)他。

【「まえがき」より】
中国に、共通語(普通話)の普及と規範化の促進を目的に編まれた『现代汉语词典』がある。1978年に第1版が出版された後、これまで数度の改版が行われ、2005年6月に第5版が出版された。この第5版で注目を集めたのが、時宜に合わなくなった語に代わって、新たに大量に採録された広東語語彙であった。“写字楼”(オフィスビル)、“置业”(不動産を買う)、“楼市”(不動産市場)といった広東語の経済用語が、中国経済の改革・開放と軌を一にするように、そのまま共通語に組み込まれたのである。(中略)近年、中国語の言語文化研究においても、広東語を含む中国語諸方言についての研究がますます重視されるようになってきており、研究方法や研究対象も多様化してきている。(中略)本書で展開した記述的分析や理論的枠組みは、まだまだ模索の域を出ないが、本書が広東語の動詞研究や意味研究に幾許かの貢献になり得ればと思い、本書の公刊を決意した。

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