2009年4月21日火曜日

『我之小史』~晩清徽州の社会・文化を伝える新資料~

 
『我之小史』
  (清)詹鳴鐸撰・王振忠整理 安徽教育出版社 2008年8月刊 2,866円

「我之小史」は近年発見された新資料で、徽学を専門とする復旦大学の王振忠教授によりその学術的価値が『史林』(2006年第5期)に発表され注目を集めた。その王振忠教授による整理標点本、待望の出版。晩清の秀才であり、徽商の家に生まれた著者による章回体自伝小説で光緒9年(1883年)から民国14年(1925年)までの数十年間にわたって起った徽商旧家の家庭・社会の変遷を記述。徽商の家庭生活・倫理習俗・商業理念、徽州の社会・文化をはじめ、政治官僚・各地方制度・科挙考試・辛亥革命・西洋人の渡来、杭州や上海の社会状況をよく叙述しており、晩清の社会激変を伝える貴重な新資料。巻末に「詹鳴鐸先生生平大事年表」を附す。横組簡体字。

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