『ほんとうの中国の話をしよう』
余華 著/飯塚容 訳 河出書房新社 2012年10月刊 2,310円
最も過激な中国人作家が、文化大革命から天安門事件を経て現在に至る中国社会の悲喜劇をユーモアを交えてつづった体験的中国論。
アメリカ訪問(2009年)時の講演原稿をもとに構成され、そのため著者の本音が掣肘なく語られており、外国人にも理解しやすい内容となっている。天安門事件や、近年の開発に伴う強制立退き問題など、中国では敏感な話題にも言及しているため、いまだに国内刊行が実現していない(台湾版は2011年に刊行済み)。
【目次】 まえがき/人民/領袖/読書/創作/魯迅/格差/革命/草の根/山寨(シャンチャイ)/忽悠(フーヨウ)/あとがき/解説(飯塚容)/付録 余華著作リスト
余 華(Yu Hua):1960年中国杭州生まれ。現代中国を代表する作家の一人。幼少期に文革による社会の大変動を経験する。78年地元の診療所で歯科医として勤務しはじめる。88年から魯迅文学院などの創作研究班に学び、北京で天安門事件に遭遇する。中短篇集をいくつか発表した後、91年の『雨に呼ぶ声(在細雨中呼喊)』で長篇デビュー。92年発表の中篇『活きる(活着)』が映画化されて話題を呼ぶ。その後も、長篇『許三観売血記』(95)や短篇・随筆を継続的に発表し、2005年の『兄弟』が大ベストセラーとなる。
*余華のブログ(騰訊博客) URL:http://yuhua.qzone.qq.com/
[関連書籍]
>>> 本書の原書『十個詞彙裡的中國』(台湾・麥田出版、2011年)
>>> 余華の著作(輸入書55点)
>>> 余華の著作(国内書 6点)