2009年3月19日木曜日

『1978~2008 流行詞語看中国』『老詞語』~新旧の中国語語彙を記録した2書

『1978~2008 流行詞語看中国』
  高虹著 四川文芸出版社 2008年11月刊 2,793円

改革開放30年を記念して数多くの類書が出版される中、刊行後2ヶ月で重版となった人気書籍。30年間の各年の世相を代表・象徴する「詞語」をベストテン形式で選出、図版とともに解説、関連語も多数掲載した。作家・書籍・映画・テレビ番組名が数多く取り上げられていることも本書の特色。「傷痕文学」(1978年第7位)「人至中年」(1982年第7位)「編集部的故事」(1992年第2位)「張愛玲」(1995年第8位)「大国崛起」(2007年第10位)など独自な観点から選び出している。昨年2008年の第1位には、「汶川大地震」(6位)、「北京奥運会」(9位)などを抑え、「抗撃氷雪」(2008年1月の大寒波と復旧活動)が選ばれている。また、日本人の名前では、唯一1979年の第10位に「高倉健」がランクインしている(*)。巻末に関連語も含めた索引が附されており、利用価値が高い。

*文革後初の外国映画として、高倉健主演の『君よ憤怒の河を渉れ』(中国語名『追捕』)が1978年に公開され、大人気を博した。

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『老詞語』
  蒋藍編 重慶大学出版社 2008年4月刊 2,047円
~忘却されつつある「老詞語」を図版とともに解説~

20世紀初頭より1980年代までの「老詞語」の意味・時代背景などを解説。当時の図版も多数。「東風」「四害」「向陽花」「万金油」「牛棚」「忠字舞」「四化」「自留地」「密司脱」「六六六粉」「黄色歌曲」など人々の記憶より薄れつつある100語を選び収録。

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