2009年3月3日火曜日

『東洋学事始 那珂通世とその時代』~その生涯と日本東洋史学の黎明


『東洋学事始 那珂通世とその時代』
  窪寺紘一著 平凡社 2009年2月刊 3,150円

那珂通世(1851~1908)は日本の東洋史学研究の創始者であり、草創期の女子師範教育に尽力したことでも知られる。東洋史の概念を初めて考案し、「東洋史」の名称は彼の提唱によるものである。代表的著書『支那通史』は日本最初の中国史概説書で、清国でも刊行。また『元朝秘史』を『成吉思汗実録』のタイトルで邦訳、日本に紹介した。本書は那珂の足跡を軸に、同時代の東洋学第一世代の内藤湖南・白鳥庫吉らの活動も調査・まとめた貴重な労作。日本東洋史学の黎明を描く。


《主要目次》
 序 章 西洋の衝撃
 第一章 盛岡藩校・作人館
 第二章 慶応義塾に学ぶ
 第三章 女子教育に貢献
 第四章 『支那通史』の成立
 第五章 「東洋史」の誕生
 第六章 『成吉思汗実録』の刊行
 終 章 明治の終焉

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