2009年3月30日月曜日

『台湾における下村湖人 文教官僚から作家へ』 ~戦前日本の台湾植民政策研究に新たな視点~

 
『台湾における下村湖人 文教官僚から作家へ』
  張季琳 東方書店 2009年03月 3,675円

今も読み継がれている自伝的小説『次郎物語』の作者・下村湖人は、作家デビューする前、佐賀中学、唐津中学校長を経て台湾に渡り、台中一中校長、台北高校長を歴任した。彼の台湾経験がいかなるものであったのか、著者は『台湾日日新聞』などの史料を渉猟し、台北一中、台北高の2つのストライキ事件による挫折感が、帰国後の後半生に深い影響を与えたことを明らかにする。戦前日本の台湾植民政策に新たな視点を開く、作家論、作品解説。

【 主 要 目 次 】
 序   植民地台湾における下村湖人

       ──文教官僚の挫折と教養小説作家の誕生(藤井省三)
第一章 下村湖人との出会い
第二章 九州から台湾へ
第三章 台中一中ストライキ事件
第四章 台北高等学校ストライキ事件
第五章 台湾時代の下村湖人の短歌
第六章 離台後の湖人
第七章 下村湖人の台湾経験と『次郎物語』
終 章  台湾人にわびたい
あとがき

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