
大木康 著 刀水書房 2009年2月 1,680円
2007年より刊行開始された《世界史の鏡》シリーズ。中国を主題としたものは本書が初となる。印刷本が一般化し書物の普及が進んだ明末。それに伴い出版点数も増加・多様化・加速化するなど、「メディア革命」が実現した。特に嘉靖元年(1522年)以降は『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』などの絵入り小説が大流行、庶民にまで書物を読む習慣が広がり、出版文化が隆盛を極めた。この時代、中国の書物に起きた変化、また書物が溢れるようになったことにより、書物自体そして学術や社会にもたらされた変化について考察する。同じ「世界史の鏡」シリーズで、フランスの活字「メディア革命」を採り上げた『本を読むデモクラシー “読者大衆”の出現』(宮下志朗著、2008年)に続く「読書の社会史」。
《 主 要 目 次 》
第1章 中国書籍史における明末
第2章 書物の形態の変化 線装の成立
第3章 図像の氾濫
第4章 小説の爆発
終 章 出版と明末社会
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