2009年3月31日火曜日

『廃名集』 ~作家「廃名」と学者「馮文炳」の文章を全面的に整理・刊行~

 
『廃名集 1-6』
  王風編 北京大学出版社 2009年1月刊 17,325円

廃名(1901~1967、本名・馮文炳)は特異な表現手法で多くの詩歌や小説を創作したことで知られる、現代中国を代表する作家の一人。沈従文・汪曾棋・何其芳らにも影響を与えた。
本書は全6巻構成。上編にあたる第一~四集前半は1922~1948年の作家「廃名」としての創作を収録し、下編にあたる第四集後半~六集は1949~1964年の学者「馮文炳」の著述を収める。各巻の収録内容は下記の目次を参照。収録される文章の約三分の一が、今回初公刊となる。各巻の収録は発表年代順で、底本は初版本を原則とし全て活字本に拠った。各作品冒頭に「題注」を施し、底本と通行版本・参校本を記す他、創作年代が不明確なものには考証を加える。
本書の校勘は12年もの歳月をかけて行われ、校勘者自身が個人所有する版本も用いて制作された。廃名は過去に「選集」にあたるものが出版されているが、代表作が収録されているのみで、著作を全面的に網羅・整理したものは本書が初めてとなる。 【在庫有り】

≪各巻の主要目次≫
第一巻
【上編】
 小説(上):《竹林的故事》、《桃園》、《棗》、集外短篇5篇
 小説(中):《橋》
第二巻
 小説(中):《橋》(下巻)、《莫須有先生伝》、《紡紙記》、《芭蕉夢》
 小説(下):《莫須有先生座飛機以後》
第三巻
 文(20年代):22篇
 文(30年代):62篇
 文(40年代):18篇
 詩(1922-1930):11首
 詩(1931):57首
 詩(1932-1948):23首
第四巻
 論(上):《談新詩》、続編4篇
 論(下):《阿頼耶識論》、外編5篇
【下編】
 《一個中国人民読了新民主主義論後歓喜的話》
 《古代的人民文芸——詩経講稿》
 《杜甫論》
 《杜甫的詩》
 古典文学論文6篇
第五巻
 《跟青年談魯迅》、外3篇
 《魯迅的小説》、外1篇
 《魯迅研究》、外3篇
第六巻
 《新民歌講稿》
 《歌頌篇三百首》、外2首
 《毛沢東同志著作的語言是漢語語法的規範》
 《美学講義》、外1篇
 文、詩24篇
 附録

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