2009年12月2日水曜日

新着書より~『中国の格差、日本の格差』

 
『中国の格差、日本の格差―格差社会をめぐる日中共同シンポジウム』
  渡辺雅男 編 彩流社 2009年11月刊 2,940円

本書は2008年5月一橋大学と中国清華大学、中国社会科学院とが開いた国際シンポジウムの報告書である。激しい経済成長のなかで貧富の格差拡大に苦悩する中国、失われた10年の経済不況を社会的な格差拡大で乗り切ろうとする日本、ともに抱える格差社会の諸問題を日中の社会科学者が協力して解明に取り組もうとする。解決に必要なものは何かをさぐり、両国の問題点を抉る画期的な討論の基調報告。

目次:
第一セッション 「格差のなかの社会構造」
 現代日本における格差の構造  〔町村敬志〕
 中国社会階層変化の新動向  〔李強〕
 日本における非正規雇用の増加と所得格差の拡大  〔石倉雅男〕
 グローバリゼーションにおける中国の貧富の格差  〔朱安東〕
第二セッション 「格差社会における価値観とモラル」
 現代中国の社会階層分化と大学生の価値観変化の趨勢  〔艾四林〕
 戦後日本の政治意識 と価値意識  〔加藤哲郎〕
 中国における格差形成の原因に対する分析  〔趙甲明〕
第三セッション 「格差と政治状況」
 中国における政治発展のモデルとルートについて  〔王一程〕
 「構造改革」政治と格差・貧困  〔渡辺治〕
 社会公正――政府の責任  〔楊海蛟〕
 地域間格差と地方財政調整  〔田谷聡〕
第四セッション 「格差社会の克服――市民社会をめざして」
 中国市民社会の理論的探求と実証研究  〔何建宇〕
 日中共同の市民社会指標について  〔高田一夫〕
 中国の市民社会論批判――私的所有権の確立と社会格差の問題  〔韓立新〕
 日本における市民社会論の系譜  〔渡辺雅男〕

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